のじシネマ

映画の感想を書いています。絶望と不条理を映画に求めてしまいがち。ときにネタバレ。

【映画】『本当の目的』あらすじと感想 回想シーンのないところが高印象

本当の目的

タイトルは『Three Days in September』

真面目そうな女マリカと怪我を負った女マリカは電車の中で出会った。
9月の3日間、果たしたい女2人の目的とは何でしょうか。 

 

 

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作品情報・キャスト

公開年度 2015年
上映時間 89 分
監督 Darijan Pejovski
キャスト Irena Ristic , Salaetin Bilal 

Amazon Prime Videoで見れます。
マケドニアコソボでつくられた映画。

あらすじ

電車の車内で言葉を交わした2人の女、ヤナとマリカ。
ヤナは誰もいない実家に戻る途中で、マリカは顔や体に傷を負っている。行き場のないマリカはヤナの家で休ませてほしいと頼み、マリカは最初は嫌がるものの結局マリカを受け入れた。だがやがてマリカが逃走中の殺人犯であることがわかる。ヤナも久しぶりに故郷に戻ったのには何か目的がありそうなのだが……。

面白いところ

怪しい世界観

電車の中で出会ったヤナとマリカ。
ヤナは数年振りに実家に戻るため電車に乗り、マリカは殺人を犯して逃亡中の身でした。

舞台となったヤナの生地である村は寂れていて、村人は数十名ほどしかいません。
しかも現在の住民は男だけという、すごく変わった村です。

村は以前、ヤナの父親が先頭を切って開発を進めていたのですが、頓挫して現在は廃墟になったホテルがあるのみ。
ホテルの所有権は両親亡き後、ヤナとクリスティンの双子の姉妹に渡っています。

 

nojirika.hateblo.jp

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ヤナの秘密が徐々に明かされて


ヤナは傷を追ったマリカをかくまって手当てをします。
たぶん女でなければわからない痛みを共有しているからで、マリカが指名手配の犯人とわかった時点で追い出そうとしましたが、マリカは考え直します。

そのとき既に計画を考えついて、マリカが自分の計画に加担するかを試していたのかもしれません。
マリカを哀れに感じてもいたと思いますが、共犯に絶え得る人物かを確かめようともしていたのでしょう。
マリカが殺人を犯したのは正当防衛からで、苦労人でもあります。
だから単なる好奇心でヤナのことを知りたいのではなく、ヤナの告白にも親身な姿勢で耳を傾けます。 

女2人の魅力的なキャラクターと
隠されていた真実(ネタバレあり)


一見して、ヤナは生真面目そうで、マリカは派手なタイプと、違うタイプの女性ですが、ヤナは目的を遂げるため、マリカは逃げるために信頼関係を築きます。

また、ヤナには双子の姉妹クリスティナがいましたが、本当は事故で昏睡状態になっていることがわかります。
ヤナは最初マリカに、クリスティナは結婚して遠くにいると話すのですが、それはヤナの願望だったのかもしれないし、自分自身の本当の姿なのかもしれません。

何故なら、双子の姉妹のヤナを名乗っていた女性は、実はクリスティナだったのです。
マリカと知り合った時点でヤナを名乗っていたクリスティナの本当の姿については曖昧です。
ただクリスティナは自分自身とヤナのため、復讐を目的に村に戻ったのは本当のことでした。

そこに登場するのは警察官のガンツ
ガンツは雑貨屋の息子で、子供の頃は姉妹とよく遊んでいましたが、なんとなくよそよそしい。
ストーリーが進んでも新たな人物が登場しないので、どうやらガンツが怪しいことがわかってくる流れです。

 

女の復讐劇 

ストーリーは複雑ではなくシンプル。
女性の復讐劇です。

復讐といえば過去の出来事があってこそなのですが、この映画にはありがちな回想シーンがまったく出てきません。
つまり出来事をすべて台詞で説明してくれるので、とてもわかりやすくて混乱しません。
すべてが時系列に進んでいくので、観ていて疲れないのがよいところ。

役者2人がとても上手で魅力的なところもいい。
ヤナもマリカも必要に迫られて手を結んでいるだけではなく、ある種の友情を芽生えさせられる魅力的な人物であることが演技から伝わってきました。

上映時間が短かめで、登場人物も少なく一生懸命ついていかなくてもついていける話です。

 気になったところ 

復讐劇なので全体のトーンは暗めです。
明るい話を観たいときにおすすめできる映画ではないかもしれません。
ですが、後味モヤモヤではなく、すぱっと気持ちよく終わっている話ではあります。

 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

のじれいか でした。


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