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【映画】ブルークリスマス 倉本聰のSFは恐怖に駆られた人の心を厳しく、やさしく描くのだ【ネタバレ・感想】

 

突然、自分の身体を流れる血液くなったら?
また、誰かの血が青いと知ったら?

UFOを見た人だけに現れる変化をどのように受け止めますか?

映画 ブルークリスマスブルークリスマス BLOOD Type The Blue Stigma )は、異質な者への恐怖心を描いた日本映画です。


 


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作品情報・キャスト 


公開年度 1978年
上映時間 133分
監督 岡本喜八
脚本 倉本聰

キャスト 
置退介(勝野洋) 、西田冴子(竹下景子)、西田和夫(田中邦衛)、南一矢(仲代達矢)、木所(岡田裕介)、原田(沖雅也)、五代報道局長(小沢栄太郎)、兵藤光彦(岡田英次

 

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あらすじ


国防庁特殊部隊の隊員で、秘密裏な仕事をする置退介は、行きつけの床屋で働く西田冴子に恋をした。

一方、国営放送(JBC)の記者・南一矢は、友人の芸能記者木所から、恋人で人気女優の高松夕子の血液が青いことを打ち明けられる。そのことを口止めされていながら、南は世間話として、局長の五代に話してしまう。

すると五代は、血液の青い人間は、世界中で密かに起きており、UFOを見た人間に鍵って起きていることを内密に打ち明ける。

南は、国際科学者会議でUFOが実在すると発言した科学者の兵藤が、その後行方不明になり、自宅も火災で焼け落ちていることを知って疑惑を抱く。


ニューヨークに飛んで、取材をしていた南は、そこで兵藤と遭遇。だが
詳しいことを聞けぬまま、兵藤は何者かに連れ去られ、南自身も強制帰国させられる。そして今後はこの件を探れないようにするため、パリ支局に配置換えされてしまった。


また、女優の高松夕子はドラマの主役が決まっていたが、薬物所持を偽装されドラマを降板。その後、自らの命を絶ったと報道される。

高松夕子の薬物所持を実行した置は、プライベートで冴子と関係を持つが、冴子の血液が青いことを知って、愕然となった。

すでに血の青い人間の多くは、人間とは扱われず、別の場所に移送され、脳に手を加えられ廃人にさせられていた。しかしその一部は、血が青いとわかりながらも、そのままの生活を維持されていた。それは主要国による陰謀のためだった。

クリスマスイブの夜を一緒に過ごしたいと、冴子に誓う置だが、その日に置ら、特殊部隊に青い血の人間は人間とは見なされず、冴子たち全員を始末するよう命令が下った。

 

 




UFOが登場する映画ではない

いかにもUFOが登場しそうな物語ですが、UFOはほとんど登場しませんし、その原因や結果も明らかにはなりません。

ただ未確認飛行物体を目撃した人は、青い光を浴びるのですが、それによって血液が青くなる。でもそれ以外の身体的変化が起こるわけではありません。ただ怒りが消え穏やかになる、それだけ。

本編でも触れていますが、青い血液は、烏賊だけ。なので人間からすればとても不気味に感じられる。主要国政府はこのことを表面化しないよう隠し続けますが、青い血を持つ人はどんどん増えて、やがて隠しきれなくなる。

それで、血液検査を行い、手帳を所有することが義務付けられますが、青い人は口実をつくって集められ、脳手術を受けさせられ廃人にさせられてしまうので大変です。

表向きは都合のいい話になっていますが、危機感を抱く人の中には、当然ながら逃亡を図ろうとするる人、それを守ろうとする人が出てきますが、特殊部隊の置たちに見つかって、全員捕まってしまいます。

彼らを監視し報告するのは部隊にいる置たちですが、置の仲間にも沢木もUFOに遭遇して血液が青くなる人が現れ、異端は広まっていきます。

最初は躊躇なく、指示に従い続けていた置でしたが、恋人の冴子の血液が青いと知って、一気に行動に迷いが生じてしまう。若き青年の心理が切ない。

人間の心理や他人との関係性を描く、倉本聰らしいSF作品だと思います。

キャストが豪華(音楽もいいよ)


この話はおもに、政府側で実行する立場にある、勝野洋が演じる置退介と、真相を追う立場にいる、中内達矢が演じる通信社の南一矢を中心に、彼らと関わる人が登場します。

面白いのは、置の恋人・冴子の兄は田中邦衛で、『北の国から(1981年〜)』風味のある素朴なSFだったりします。ここでは義理の兄妹ではなくて本当の兄妹ですが。

 

 


あと沖雅也が登場するところもポイントが高い。

岡田祐介の演じた芸能記者の木所の恋人で女優の高松夕子を演じているのは、新井春美。芸名を変えて現在も活躍しています。


劇中でたびたび流れるのが、Charの『ブルークリスマス』。小学生のとき、テレビで放送されたのを見たのが、この映画との出会いでした。

「曲、カッケー」と痺れたのはもう遠い昔のこと。

 

 

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それではまた。
のじれいか でした。

 


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