【映画】ライフ・アフター・ベス あらすじと感想 愛の落とし前をつける
ライフアフターベス
一言でいえばこんな話
死んだ恋人が蘇ってしまい、それはそれでよさそうなのものの、恋人がゾンビ化していることが次第にわかっていき、色々奮闘する話。
作品情報・キャスト
公開年度 2015年
上映時間 89分
監督・脚本 ジェフ・ベイナ
キャスト
ザック (デイン・デハーン)
ベス (オーブリー・プラザ)
モーリー・ベスの父(ジョン・C・カイリー)
カイル・ザックの兄(マシュー・グレイ・キュプラー)
ザックの母 (シェリル・ハインズ)
ベスの母(モリー・シャノン)
ザック役のデイン・デハーンをお目当てで観る人も多そう。
あらすじ
ザックは恋人ベスの突然の死がショックで何も手が付かない状態。
ベスの父親が自宅に呼んでチェスをしながら慰めるが、ザックは元気を取り戻すことができずにいる。
だがあるときからベスの家を訪ねても誰も出ないことが増え、避けられていると感じたザックはベスの家に侵入。するとなんと、死んだはずのベスがそこにいるのだった。
感想と見所「ゾンビ映画かラブコメか」
亡くなった恋人が蘇ったけれど、彼女はゾンビになっていた。
どんどん凶暴化して様子がおかしくなるベスを、ザックはどこまで愛せるのか?
そこが見所の『ラブコメディ』です。
好きだなと感じたところ・
恋愛映画としてのテーマが明確
ザックは最初ベスが蘇ったことを飛び上るほどに喜ぶのですが、ベスが日に日にゾンビ化して、見た目もグロくなり、人間性も変わってしまったことにショックを受けます。
やがて凶暴化したベスをザックは怖くなって遠ざけるようになるのですが、そんなとき母親の友人の娘がザックに接近、このままベスから逃げるのかという微妙な状態になっていきます。
ザックはゾンビになったベスへの気持ちに悩みます。
悩んでいるうちにもベスはゾンビなので人を襲って食べてしまっていて、決断を迫られるのです。
ベスを受け入るか。受け入れるとしたらどうするのか。
受け入れないとしたらどうするのか、という決断に迫られることになります。
気になるシーン・
一瞬登場するパーリーンの存在
パーリーンはベスの家で雇っているお手伝いさんです。
彼女はベスが亡くなって少しして怒って仕事を辞めてしまいます。
その理由がベスと関係しているのがわかったときは驚きでした。
やり過ぎな気もしますが、セクハラなんかやっていると必ず罰を受けるという戒めでしょうか。
好きなところ・
昔のシーンが出てこない
現在はゾンビになってしまったけれど、昔は美しい恋人で楽しい時間を過ごしたザックとベスですが、その頃の回想シーンは出てきません。
無駄に回想シーンが多い映画が多い気がするなかで逆に斬新に感じました。
愛の落とし前をつけるザック
もうどこから見てもゾンビになってしまったベスをザックは「ピクニックに行こう」と誘い出します。
ベスを連れ出したザックは、やはりこんなことは間違っていると現状を嘆きながらも、ベスに「戻ってくれてありがとう」と蘇ったことに感謝の言葉を述べつつ、自分のために苦しませてしまったとを詫びます。
永遠にきみを愛するとザックは言いますが、それはザックがこれからすることに対する謝罪の言葉に聞こえてしまいます。
気になった点・
主人公ザックの心理が理解できない
ザックはベスが凶暴になる前から、自分が死んでいることを彼女に知らせた方がいいとベスの父親に主張します。
自分だったら死んだ恋人が復活したとき、「あなたは実は死んでます」と報せるだろうかと考えたのですが、どう考えてもそれはないので理解に苦しむ点です。
ただベスが蘇ってすぐの頃、ザックはベスと抱き合いながら
「内側も外側もないし、光も闇もない、そのことがわかった」
としみじみ言葉にするところにヒントがあるかもしれないと思いました。
つまりベスが生きていても死んでいても、ベスへの想いは同じと実感したのでしょう。けれども残念ながらベスがゾンビとわかってからは、そう単純な考えではいられなくなってしまうのですが。
ザックがベスの死に苦しんでいるのは、生前、些細なことで口論になり別れ話が出ていたことが背景にあるらしいことにも触れられています。
やがてザックが暮らす街には、ベス以外にもゾンビが現れて大騒ぎになり、ザックの兄カイルらがゾンビ退治をすることになりますが、一瞬で収束してしまいます。
パニック映画ではないから、これでいいのかと思う反面、少しだけ経過が知りたいようにも思いました。
まとめ
笑って観られるラブコメディ映画です。
軽いタッチのラブコメなのですが、愛する人との別れ、愛の終わりを描いている案外深いストーリーでもあるかなといった印象です。
生にも愛にも永遠など存在せず、形が変われば愛も変わる……。
残酷なように思えますがそれは事実です。
だから美しく尊いのかもしれません。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
のじれいか でした。