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【映画】さらば愛しき人よ 郷ひろみ・石原真理子の太眉コンビのアクション【ネタバレ・感想】

 

昭和の大スター郷ひろみが、殺し屋として拳銃片手にかっこよくキメる。

そんな郷ひろみのお相手は、やはり昭和の人気女優・石原真理子

太眉二人の熱い恋愛アクション映画です。


 

 

 

作品情報・キャスト 


公開年度 1987年
上映時間 103分
監督 原田真人
原作 西岡琢也

キャスト 
早坂修史(郷ひろみ) 、海老沢ひとみ(石原真理子)、福島哲夫(木村一八)、木内義政(佐藤浩市)、石橋由美子(南條玲子)、間柴秀一(嶋大輔)、新田実(高品格)、加東昭司(柄本明)、南場格(笹野高史)、木内剛三(安岡力也)、浦田力夫(大地康雄)、立松みち(余貴美子)、桜子(松金よね子)、ディスコの社長(原田芳雄

 

あらすじ

 

早坂修史は、反社会的勢力(ヤ●ザ)の大東連合の若手幹部。敵対する闘竜会の会長・木内を狙っていたが、命乞いされて見逃してしまう。

会長の新田は修史を買っているが、兄貴分の加東は修史を快く思っていない。

ある日、都内のホテルで結婚披露宴が開かれる。そこで配膳係として働く海老沢ひとみは修史の幼馴染。会場に現れた修史にひとみは話しかけるが、披露宴は新田の娘の式で、修史は他人のフリをする。

しかし、初恋の相手であるひとみを忘れられない修史は、場所を変えて自らひとみに接触。ひとみはホテルで働きながら海外で暮らすことを夢見ていた。修史にはホステスの石橋由美子という愛人(恋人)がいたが、ひとみとの再会で心が揺れる。

その頃、修史の弟分の福島哲夫は、プールサイドで加東を殺害。その後、哲夫は木内の弟からコンビニで襲われる。また修史は、木内の弟が放った殺し屋・間柴から狙われていた。

何も知らず、ひとみと一緒にディスコで楽しいひとときを過ごしていた修史は、間柴に発砲され、修史は命に別条はなかったが、ひとみは脳内出血を起こして視力を失う。

復習心とひとみを救出したい修史。だが、それとは別に、それぞれの思案から対立関係にあった大東連合と闘竜会は合併が決まっていき……。

 




CGがない時代のアクション


映画が公開されたのは1987年。登場人物はアウトローな人間たちの泥臭いドラマです。

今だったらギンギンにCGを使うのでしょうが、この時代は当然だけど、それがない。できること、できないことが明確だから潔い。全体的に生っぽい仕上がり、これぞ昭和な雰囲気がよかったです。


懐かしい場面が楽しめる?

 

要所要所に登場するディスコや湾岸の工事風景など、バブルの終焉近い時期ではありますが、まだまだ華やかな、古き良き昭和の日本が感じられました。

ロケは地は、都内と横浜。おそらくディスコは、横浜にあったサーカスという店みたいではないかと。

ラストの抗争場面は、箱根登山鉄道が出てきます。登場する店の中は、さすがに閉店しているところが多いみたい。

▼修史、哲夫、由美子が会し、たぶんここじゃないかな…(当時はキュイジーヌレストランですが)。

tabelog.com

 

今でも現役なところもありました。

ベリーグットマン 恵比寿

 

キャストがやたらと豪華


主演の郷ひろみと、ヒロインの石原真理子が、演技派俳優というわけではないので、2人をフォローするためか、脇を固める俳優に豪華な人材を投入しています。(お金あったんだろうな…)

郷ひろみの愛人・由美子を演じた南條玲子の美しさ。また出番はそれほどありませんが、コンビニに日本刀片手に乗り込んでくる、佐藤浩市演じる狂気な金髪くん・木内も若さみなぎりかっこいいです。

修史の弟分、哲夫を演じたのは、木村一八。いうまでもないですが、天才漫才師横山やすしの長男です。テレビに映画に活躍しましたが、暴行事件で所属していた吉本興行との契約を解消してからは表舞台から一旦は姿を消しました。現在はVシネで活動しています。

まだ若々しい、笹野高、原田芳雄柄本明、大地康夫の姿も。

台詞はない特別出演の内田裕也が警官役に。ひとみが働くバーの店長に内藤陳が出ていたり、昭和のスターが勢揃いといっても言い過ぎではないと思います。


ラストに驚き、まさかの…(ネタバレあり)


ディスコで襲われて視力が失われたひとみでしたが、完全に視力が失われたわけではない。ただし手術は困難で、本人の精神状態も大きく影響している。ひとみは大東連合の親方・新田の元に身を寄せ、修史とは会わせてもらえません。

その一方、大東連合と闘竜会の合併の話が進み、発足会は近づく。だが闘竜会には修史をよく思わない者が多く、危険な匂いが漂う。

そんな中、修史の心にあるのは、ひとみのこと。修史は(驚くことに)ひとみがよく聴いているラジオ番組の局を経営する下田(影山民夫)に、ラジオ番組のDJになりたいと言い出す。どういうことかというと、由美子が欲しい下田は、修史と手を切る代わりに金銭を払うつもりでいた。由美子もそれはわかっている。いわゆる美人局のすごいのみたいなものですが、修史は今回は本気で由美子と手を切るつもりでいる。それなのに条件は金銭ではなくラジオ出演なのだから、由美子は切ないですね。

ま、そんなことで、修史は番組のゲストとして登場し、どこかで聴いているハズのひとみに愛の告白をしてのける。

そんな修史の姿に弟分の哲夫は、修史を骨抜きにしたひとみに怒りを感じて襲おうとするが思いとどまる。また由美子は、修史と終わったことを知らない間柴に襲われ、修史の居場所を吐かされそうになり、自ら命を落とす。

発足会当日、ひとみ会いたさに箱根の邸宅を訪れた修史と哲夫は、紛争を引き起こす。

そこには、修史がくるはずだとひとみも会長に同行していた。

修史は敵を薙ぎ倒し、ひとみがいるはずの本丸に接近。そこでひとみと修史は再開を果たした

ひとみは修史の車の中で目を覚ます。

隣に修史がおらず、一瞬、修史と一緒にいた子供の頃の思い出と共に不安が過ぎるが、修史は健在。修史とひとみは固く抱き合うのだった。

……というわけで、意外なハッピーエンドでした。タイトル『さらば愛しき人よ』のさらばは一体だれに向けられたものか。色々な解釈がありそうです。

 

 

▼80年代映画はこちらにもあります!

nojirika.hateblo.jp

 

 

 
それではまた。
のじれいか でした。

 


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