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【映画】緑はるかに 浅丘ルリ子のシュールなレトロファンタジー【ネタバレ・感想】

いたいけな少女が、スパイに追われながらも、研究者の父親が遺した研究を守ろうとするファンタジーな物語。

撮影当時15歳の、浅丘ルリ子のデビュー作、貴重な映画です。

 

 


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作品情報・キャスト 


公開年度 1955年
上映時間 90分
監督 井上梅次

キャスト 
ルリ子(浅丘ルリ子) 、ピエロ(フランキー堺)、ルリ子の父(高田稔)、ルリ子の母(藤代鮎子)

 

あらすじ


ルリ子は、研究者の父が北海道の研究所に行ったきり、1年も戻らないことに寂しさを募らせていた。

ある日、父が病気になった知らせを受けて、ルリ子は母と一緒に、迎えに来た男たちと北海道に向かう。しかし連れて行かれたのは、北海道ではなく山里離れた僻地の研修所だった。

父は今の研究所に移され、すごい研究を完成させたが、相手がスパイとわかり研究結果を燃やしてしまった。

そこでスパイたちは、妻と娘をこの場に連れて来て、研究結果を聞きだそうとしたのだった。

母は拷問で命を落とし、弱っていた父はルリ子に「研究のメモはオルゴールの中にある」と言い残して絶命する。

 

 


スパイの元から逃げたルリ子は、途中で知り合った孤児院を抜け出した子供たちと一緒に東京に帰ろうとするが、スパイに見つかり揉み合うちオルゴールを谷底に落としてしまう。

ルリ子たちがオルゴールを懸命に探すと、古美術店にルリ子のオルゴールが飾られているのを見つける。みんなで靴磨きをしながらお金を稼ぎ、オルゴールを買いに向かうとオルゴールは売れてしまっていた。

同じくオルゴールを探すスパイたちは、偽サーカスを装いオルゴールをかき集める。目当てのオルゴールは見つかるが、孤児院から集団脱走した大勢の子供たちが、スパイからオルゴールを取り返そうとする。


やがて、子供たちが孤児院を脱走した通報を受けた警察官が現れる。そこには亡くなったはずのルリ子の両親も一緒だった。実はルリ子の両親は無事だったのだ。

 

父はオルゴールに隠したメモを燃やし、研究結果を永遠に葬ることで平和を守る。父母と再会できたルリ子は、一緒に冒険をした孤児院の仲間たちとルリ子の家で一緒に暮らすことになった。

 




当時の児童向けアドベンチャーファンタジー

 

そもそも作品自体、児童向けの童話だったらしく夢のある展開です。

ルリ子はお父さんと会えないことを寂しがる、か弱い女の子でした。そんなルリ子は、楽しい夢を見ることで寂しさを紛らわせていました。

夢の場面は突然ミュージカルになるので驚きます。オズの魔法使いみたいな印象でしょうかね。この話自体こんな夢のような話が続くのと思ったら、予想を裏切って過酷な展開になっていくので意外性はありました。


会いたかった父親がスパイに捕らえられ、同行した母が拷問の末に亡くなるなど、急激な不幸に見舞れてしまいます。

うっわ、これは相当残酷なストーリーじゃ…と戸惑っていると、ルリ子の前に孤児の子供たちが登場することで、ルリ子は救われ前を向く。そして父の遺した研究が悪いスパイの手に渡らないように奔走することになります。

幼児向けではあるのですが、今の子供が見ても共感するのは難しそうなので、いい歳をした大人が昔はこういう映画を撮っていたんだなと、しみじみ振り返るのには楽しめそうです。

浅丘ルリ子が鉄板でかわいい


浅丘ルリ子といえば昭和の大女優。当時の人気ぶりは小説の題材になったほどです。

子役から活躍してきた女優さんであることは周知の事実で、私もそれは知っていますが、この作品がデビュー作とは知りませんでした。

美人とは、成長につれ美しくなる顔と、子供の頃から美しく出来上がっている顔があるものですけど、浅丘ルリ子は幼い頃から完璧に出来上がっている顔であることが、この映画で明確にさせられます。

実はミュージカル

 

ストーリーにちょいちょいミュージカルが織り込まれています。主にルリ子の夢の中という設定です。

お父さんに会えない寂しさや、両親や仲間たちと一緒に暮らせるようになった喜びの心情が歌で描かれます。

ダンスを担当したのは、伝説のバレリーナ、貝谷八百子。派手さはないものの貴重な場面です。

 

ハッピーエンドで安心できる

 

真面目に見ると物語の疑問点は出てきます。なぜラスト近くに警察に連れられてルリ子の両親がサーカスに現れるのか、なぜそこにルリ子がいるとわかったのか。もっと言えば、両親はスパイの元からどうやって脱出できたのか。

それとお母さんを探すオルゴールを持つ謎の少女・マミ子の存在も、辻褄合わせなのでしょうが、ちょっと唐突に感じられます。

 

だいいち、スパイの手にかかり命を落とした両親が、ピンピンしている不思議も驚きです。(死んだふりをしていたらしい)

 

でもルリ子はどうなるの?という思いにはちゃんと答えが出るハッピーエンドなので安心感はありました。


 

 

▼こちらもシュールなファンタジー

nojirika.hateblo.jp

 

 
それではまた。
のじれいか でした。

 


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