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【映画】プルメリアの伝説 天国のキッス ラブコメのような悲恋映画 ネタバレ・感想

 

 

ハワイ育ちの日系お嬢様が、
波乗り男に魅了されて本気の恋を知る。

 

松田聖子中井貴一という今ではちょっと信じられない組み合わせ。
ブコメ映画みたいで、実は悲恋映画です。

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中井貴一松田聖子ってすごい組み合わせ

トップアイドルと人気俳優を組み合わせたらこうなった的な?

 

 

  

プルメリアの伝説 天国のキッス

作品情報

公開年度 1983年
上映時間 95分
監督 河崎善祐

キャスト

早坂恵美子(エミー) 松田聖子
寺尾慎治 中井貴一

国吉明 山下慎二
岸本まゆみ 神保美紀
早坂達朗 宝田明
早坂千枝 小山明子
早坂真理子 中里博美
石井圭子 朝丘雪路
石井健市 松田洋治

 

ヒット曲『天国のキッス』が主題歌。当初は映画のために作った曲なんだろーけど、今となっては歌のために作った映画なんだろうなって思えてしまう。

 

イントロダクション


ハワイ大学に通う早坂恵美子(エミー)は、活発でぶりっ子な女の子。

ある日、エミーは、レストランチェーンを経営する父の希望で見合いをする。相手はホテルを経営の御曹司の国吉明。

見た目も態度もスマートな明の好青年ぶりに、両親は娘の結婚に超乗り気になる。

けれど結婚はまだ早いと考えるエミーは、縁談を破談にしようと、奇抜な行動を取るが却って気に入られてしまう。

縁談の話が進むなか、父の母国である日本を訪れたことがないエミーは、大学の試験休みを利用し、明を連れて日本を訪れる。

そこでエミーは、ウインドサーフィンの選手として真っ直ぐに生きる日本人青年の寺尾慎治と出会う。


また、明が日本にいたとき、岸本まゆみという恋人がいながら、気まぐれに扱ったことをエミーは知り、まゆみとの過去やすべてを受け入れてまで明を愛していないことに気づく。

そして、慎治への思いをつの出せていく。

だが、エミーの気持ちを知った明は、エミーと慎治の恋を邪魔しようとして…。

 

好景気時期代と松田聖子

 

この映画が公開された1983年はどんな時代だったかといえば、東京ディズニーランドが開演し、マイケルジャクソンのスリラーが大ヒットした年。いい時代だったんだなあとしみじみします。

松田聖子演じるエミーのことを、両親は大切にしているけれど、家業の都合でホテル御曹司との結婚話を進めたい本音もある。

でもまだ若いエミーは、数回しか会っていない相手との結婚に迷いがあったりも。まだこの時代はお見合いが一般的だったのでしょうね。


そんな、のどかさのある時代背景と、昔のぶりっ子松田聖子が非常によく似合っています。言ってしまえば、演技というより台詞を喋る松田聖子なのですが、これはこれでいい。逆に、凄まじい演技力を見せつけられても困ってしまいそうですし。

この時代だからこれでいい。そう納得できる構成です。


あ、ちなみに飛行機は『PAN AM』です。

ハワイと日本が半分ずつ

 

ハワイの女子大学生の恋で、タイトルはプルメリアの伝説というくらいなので、舞台はハワイかと思えば、何気に日本の風景も登場します。

エミーが「パパの故郷の日本にまだ一度も行ったことない」と瞳を潤ませれば、宝田明演じるパパは「試験休みに行ってきなさい」と娘を送り出します。


早坂家は、裕福な家庭で、しかもハワイと日本は8時間程度の距離なのに、なぜエミーは日本を訪れたことがないのか。若干の疑問は出てきますが、とにかく初めて訪れた日本でエミーは慎治と出会うことになります。

日本では料亭を経営する叔母の元に滞在するエミーは、日本を満喫するのですが、そこで運命の出会いを果たすのでした。


80年代の銀座、赤坂、湘南も出てくるので懐かし場面も楽しめます。



「あなたの目の中に住んでいたい」(ネタバレあり)


御曹司の明は、一見すると好青年ですが、実は女性に不誠実な態度を取っていた。


一方の慎治は、工場で働きながらウインドサーフィンに賭けてきた真面目な青年です。そんな慎治に強く惹かれるエミー。

「あなたの目の中に住んでいたい」

慎治を見つめて告白するエミー。慎治もエミーへの気持ちを確信します。

慎治はウインドサーフィンの大会に出場するため、ハワイに行く予定があり、そこで二人は再会を誓う。

でも二人の間に割って入るのが明で、エミーを自分のモノにしようとヒール役に転身します。

映画のサブタイトルの意味(ネタバレあり)


普通のラブコメで、よくある展開かなと思っていると、後半で急にすごい展開になります。

そこで、気になる映画のサブタイトル『天国のキッス』に気付かされました。

映画の冒頭にも出てくるプルメリアの悲しい伝説に沿っていることは何となくわかります。でもラブコメでしょと思ったいたら、ヒール役が思いのほか、悪影響を及ぼすことに。

どういうことかと言えば、明は好青年なようで実は身勝手な男で、欲しいものはどんな手段を取っても手に入れる男でした。つまりエミーを手に入れるためなら何だってするということ。

具体的には、ハワイを訪れた慎治をウインドサーフィンの大会に出場させまいと、セイルを破ってしまったり、ボートでウインドサーフィンに近づいたりとやりたい放題です。

そんな慎治を助けようとしたエミーは、アクシデントで倒れてしまう。

そして……。

 

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
それではまた。

のじれいか でした。


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